今の人生を変えたい。
こんな風に思っている人は多いんじゃないでしょうか。
子供の時からしっかり勉強をして、いい大学に入り、会社に就職。
これで幸せになれと思っていたはずなのに、なんだかしっくりこない。こんな人生を望んでいたんじゃない。
人生を変えたいと思いながら、何をすればいいのか。それすらわからない。
ハーバードの人生を変える授業(タル・ベン・シャハー 著/成瀬まゆみ 訳)(だいわ文庫)はそんなときにこそ読んで欲しい本です。
今日は本書の中から人生を幸福に変えるポイントを8つピックアップしてみました。
もくじ : タップで該当箇所にジャンプ
1.「究極の通貨」は幸福である
まず最初に「究極の通貨」は幸福であることを知ってください。
ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンは「富と幸福の間の関連性は低い」と発表しました。
確かにお金によって得られる物質的幸福はあります。
しかし、長続きはしません。一時的なものであると理解しましょう。
自分の気持ちや幸福感は数字に表現することができません。一方、富や特権は数字として目に見えます。
その結果、お金によって得られた幸福を過大評価してしまい、お金がないと幸せになれないと考えてしまいます。
あなたが稼ぐべき究極の通貨は「幸福」です。
自分の幸福とはなんなのかを考えてみましょ。
家族との時間。趣味。運動。勉強。睡眠。
自分にとっての幸福はお金はあまりかからず、時間以外のものは必要ないかもしれません。
もしそうであれば、お金を稼ぐことに時間をつかうのではなく、幸福という「究極の通貨」を稼ぐことに時間をつかうべきです。
2.80%の満足感を与えてくれる20%に時間をつかう
優先順位をつけて、80%の満足感を与えてくれる20%の事柄に集中しましょう。
「80対20の法則」は、イタリアの経済学者ヴィルフレード・パレートによって提唱されたもので、別名「パレートの法則」としても知られています。
この「80対20の法則」を時間管理に応用するのです。
あなたの「幸せ」は何よって得られますか?
あなたの1日の行動を振り返ってみてください。
その中であなたの「幸福」に結びつく行動はどれだけありますか?どれだけその行動に時間を使っていますか?
10個の行動があったら、実際に自分の幸福に結びつくのは2、3個ほどではないでしょうか。
残念ながら人生は有限です。
すべてのことを完璧にこなすには時間が足りません。
それよりも自分が幸福を感じる20%の事柄に時間を使いましょう。
そうすれば少ない労力で80%以上の満足感が得られます。
3.「誰にも知られることはない」と魔法をかける
「誰にも知られることはない」と魔法をかけてみましょう。
本書では内なる声を聞くことの重要性を下記のように説明しています。
最大限の幸せを感じるには、社会的な価値基準にとらわれることなく、自分がしたいと思うものを見つける必要があります。
最大限の幸せを感じるためには他人の価値基準に惑わされず、自分の価値基準で生きる必要があるんです。
でも、これがなかなか難しい。
自分の価値基準で選んでいると思っても、いつの間にか他人の価値基準で生きてる場合があるんです。
誰かに感謝されたい。評価されたい。ほめられたい。
他人の目を気にして、自分の価値基準だけで生きていないんです。
では、どうすれば内なる声を聞いて、自分の価値基準だけで生きられるのか。
本書ですすめているのが、自分に「誰にも知られることはない」と魔法をかけること。
どんなに頑張っても誰かに知られることはなく感謝も、評価も、褒められもしないとしたら。
それでもやりたいと思う仕事や生き方が、あなたの最も大切なものなんです。
4.意義のある行動を増やす
意義のある行動を増やしましょう。
1日の行動、1週間の行動を振り返ってみると、それぞれの行動がどれくらい人生に意義、楽しみを与えてくれているのかがわかります。
「究極の通貨」を得るために増やしたいものもあれば、減らしたいものもあるはずです。
意義のある行動を増やす努力をしましょ。いまはしていないことなら、少しでもできる時間を増やしいきましょう。
もし何らかの制約があり、大きな変化を取り入れられない場合、本書では次のような方法をすすめています。
何らかの制約があり、大きな変化を取り入れられない場合は、できることでベストを尽くしてください。私は「短時間でできる、現在にも将来にも有益な行動」のことを「ハピネス・ブースター(幸福感増幅行動)」と呼んでいます。あなたはどんなハピネス・ブースターを生活に取り入れることができますか。
たとえば、通勤に1時間かかり、その時間が退屈ならば、通勤中に何らかの意義と楽しみがある活動をしてみましょう。
通勤時間中にスマホでゲームをしている人も多いのではないでしょうか。そのゲーム自体があなたにとって楽しくて意義のある行動であればいいのですが、もっと自分の人生のためにできることはあるはずです。
本を読む。オーディオブックを聞く。家族や恋人にとコミニケーションする。
少しずつでいいので、意義のある行動を増やす努力をしましょう。
5.ちょうどいいリストをつくる
ちょうどいいリストをつくりましょう。
時間は有限です。いくら人生に重要な分野でも、すべてを完璧にこなすことはできません。
完璧にこなそうと思うと、できない自分にイライラしてしまいます。
本書でも次のように書かれています。
優先するものが変わるにつれ、したいことをする時間がとれなくなってきたのです。私は職場でも家庭でもイライラを感じることが多くなりました。やりたいことがありすぎて、どんなに一生懸命に働いても、どんなに家族と一緒に時間を過ごしても、十分ではないと感じてしまうようになりました。
仕事、家族、恋愛、友人、趣味、健康、勉強。
やりたいことはいっぱいあるかもしれませんが、なかなか完璧にこなすことはできません。
実際に僕もやりたいことが多すぎて、できない自分にイライラしたり、落ち込んでしまうことがあります。
完璧にこなせないことでイライラしてしまった著者は新しい方針を立てることにしました。
したいことをすべてしようとするのではなく、大切な5つの分野の中で、どの程度活動が「ちょうどいい」のかを考えてみました。
完璧にすべてをこなすのではなく、現実的な最善主義的解決方法を見出したのです。
恋人と毎日会うのが理想的だけど、現実的にちょうどいいのは週に2回。
毎日運動するのが理想的だけど、現実的には週に3回ジムに行くくらいが無理がなくてちょうどいい。
実際にできる「ちょうどいい」がわかれば、今までよりも物事に集中できるようになります。
6.やらなければいけないことを減らし、すべてをシンプルにする
やらなければいけないことを減らし、すべてをシンプルにしましょう。
僕も含め、多くの人がやらなければならないことに追い立てられています。
あれをやったらこっちをやらなきゃ。こっちをやったらあっちもやらなきゃ。
残念ながら、しなければならないことばかりやっていては「究極の通貨」である幸せは手に入りません。
では、どうしたらいいのな。
本書の中で著者はこのように述べています。
私たちの多くが、この多忙な競争社会の中で暮らしています。では、その中でどうしたら生活をより楽しむことができるようになるのでしょうか。
これについては残念な事実とうれしい事実があります。
残念な事実というのは、これを解決する特効薬のようなものはない、ということです。私たちは生活を簡素化し、テンポを遅くするしかありません。
そしてうれしい事実とは、するべきことを減らして生活をシンプルにしても、成功を妨げられるわけではないということです。
そうなんです。しなければいけないことを減らして、生活をシンプルにしても成功はできるんです。
実際にやらなければならないと思っていたことを見直してみると、案外やらなくても問題ないことがたくさんあります。
なんとなく定期購読している雑誌。気がのらない飲み会。無駄な会議。メールの返信。毎日の習慣。
しなければならないと思い込んでいた行動を減らし、「意義」と「楽しみ」の両方が感じられる活動に時間を使いましょう。
7.幸福感は他者への貢献によって大きくなる
他者に貢献することで大きな満足感が得られることを知りましょう。
他人に貢献することで「感謝」という目に見える報酬が得られます。
「感謝」という報酬が得られなかったとしても、気にすることはありません。
親切な行動をして他人に貢献したという事実は、精神的、感情的な報酬として自分の心をみたしてくれます。
むしろ物理的な報酬よる満足感よりも、与えることによって得られる感情的な満足感の方が大きいと感じるはずです。
著者は本書の中で次のように述べています。
親切な行動以上に「利己的」な行動はないと、私は考えています。日頃から親切な行動を心がけていれば、その報酬として、幸せという「究極の通貨」をつねに得ることができます。
親切な行動は他人のためでなく、自分のためにするんです。
8.他人への愛は自分への愛が溢れた結果である
他者への貢献も大事ですが、まずは自分を思いやりましょう。
自分に優しくなることができて、初めて他人を思いやることができるのです。
本書ではこのように述べられています。
チベットの伝統的な考え方では自己愛と他者への愛に違いはありません。つまり自分自身に対しては厳しいのに、隣人に対しては寛容だということないのです。
本書の中で紹介されているチベットの考え方として、「ツェワ」というものがあります。
「ツェワ」は自分自身に対する思いを、他者との関係に広げていくものです。
本書の中でダライ・ラマの言葉が引用されています。
「まずは自分です。そしてもっと進化したかたちで、その気持ちが他者に広がっていくのです。ある意味では、深遠な思いやりとは、利己主義が高度に発達した形態にすぎません。ですから自己嫌悪の強い人は他者に対して真の思いやりの心をもつことはむずかしいのです。始まりとなるべき土台がないからです」
まずは自分を思いやりましょう。
その思いやりが溢れ出ると、他者に対して真の思いやりを持つことができるようになります。
そして、他者への貢献がさらなる幸せとなって自分に返ってくるのです。
我思う故に我あり
今回は8つにしぼって説明しましたが、本書では52の考え方と、それに対応したアクションが書かれています。
重複するような考え方もありますが、見る角度を少しずつ変えて何回も紹介されているで、とっても腑に落ちていきます。
本書に書かれているアクションを順番にクリアすることで、少しずつ人生を変え、「究極の通貨」が手に入るようになっています。
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